千子勝吉 最高 初代 特別保存刀剣

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千子勝吉 初代 特別保存刀剣
千子勝吉について、2016年に桑名市博物館で行われた特別企画展「村正 − 伊勢桑名の刀工 − 」の図譜での総説において、福井款彦先生が執筆されたものを転載させていただきます。
「勝吉は正重の弟子で所謂新古境の刀工、慶長から寛文頃の間に初二代があり、多度大社に県文指定で元文八年紀の初代と見られる太刀があります。勝吉は恐らく忠勝系本多家に属した刀工(※)とみられ、同家が桑名から姫路へ移封した時、姫路での作刀を銘記した作品(二代か)が比較的残っています。展示の内、寸延びの短刀は桑名在住時、恐らく慶長から元和にかけての少ない初代と鑑られる作で、板目に柾の交じった強い鍛えに沸出来で湯走りや飛焼かかった相州風の刃が表裏揃い、茎の仕立てに至るまで村正・正重との関係を明示する作例であります。(※)本多家の姫路移封後の作の他に、実見していないが蜻蛉切の槍を忠実に写した初代勝吉の作があると聞くし、勝吉が忠勝の「勝」の一字を許された可能性も考えられる。ともかく勝に吉とは縁起が良い。」
また、私自身が調べた本刀の来歴を記載いたします。(伏字のない状態の資料を登録証や鑑定証とともに同封させていただきます)
「本刀は、埼玉県に店舗を構えるH堂より購入した。H堂に来歴を尋ねると「日本春霞刀剣会会長の犬塚恒之先生の勧めで刀剣S田から購入した刀」とのこと。また、「慶長頃の初代勝吉でかなり貴重。鑑賞会に貸し出すなど、H堂にとって名物の刀」とのことだが、刀剣S田以前の来歴などは不明であった。

本刀が手元に届き、登録証を見てみると裏に交付手続きをしたであろう御仁の住所氏名が記載してあった。
帳で調べてみると、記載してある住所の新潟県M市I町にはS姓が多くいることが分かった。
S姓を日本姓氏語源辞典で調べてみると「新潟県、東京都、北海道。個人名。新潟県M市I町では戦国時代・安土桃山時代の武将である末近信賀の後裔で岡山県岡山市北区高松で1582年(天正10年)にあった備中高松城の戦い後に落ち延びて来たと伝える。」との記載がある。

故郷吉備より越後に移った末近信賀氏の後裔は、御家再興、子孫繁栄を願い、縁起の良い二字「勝吉」を重代として手に入れたと考えるのが自然であり、これが本刀勝吉の来歴と考える。この来歴や末近信賀氏を想う時、白鞘に記載されている 「 越山義刀之内 」 の意味が少し解る気がする。」
種別:わきざし
長さ:36.4センチメートル
反り:0.6センチメートル
目くぎ穴:1個
新潟県教育委員会
昭和51年4月15日交付

元幅:31.0mm元重:7.1mm
体配:平造り三ツ棟
幕末頃の贅沢な拵えも付属いたします。手放したくない逸品ですが、大切にしていただける方のご入札をお待ちしております。

全体的に大変綺麗な印象ですが、古研ぎ時代物のため、小傷・小錆・ヒケ・鍛割れ・刃毀れなどの小さい瑕疵はご承知おきください。また、寸法の測定誤差はご容赦ください。
本物保証と記されていない商品、または鑑定書が付いていない商品は、あくまでも私見での説明になります。時代・銘・状態・材質などを保証するものではありません。ノークレーム・ノーリターンでのお取り引きをお願いいたします。
落札後、商品が届きましたら銃砲刀剣類所持等取締法に基づき、20日以内に都道府県の教育委員会に所有者変更届を提出してください。
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